心の庭とは
人は誰でも、自分心の中に、絶対安心安全の場所を持っています。それが心の庭です。
私のヒプノセラピーの師匠である大槻麻衣子先生が開発した心の庭療法は、
誘導によって心の中の絶対安心の場所、心の庭につながり、気づきや癒し、内なる成長をもたらす療法です。
心の庭(イメージ)療法とは、
各自の潜在意識に内在している安全な場、領域をイメージ化、意識化、言語化する過程で安心感や洞察が得られ、自己肯定感や自己信頼の回復に寄与する精神療法である。
『セラピスト養成講座 心の庭療法ベーシック 安心の回復&インナーチャイルド 2023』大槻ホリスティック
私もヒプノセラピーのセッションでは、
まず最初に心の庭をイメージしていただくところからスタートしていきます。
草原や森、湖のほとり、海辺などの自然の風景が思い描かれることが多いですが、
雲の上や宇宙空間などのイメージが出てきたり、家の中や真っ白な空間など、人によってイメージはさまざまです。
また同じ人でも、日によって、出てくるイメージも変わってきたりします。
その人の心の状態によっても、感じる景色が違いそうだね。
そうなんです。安心できる場所がイメージされることが多いですが、
心の状態によっては、天気が悪かったり、寒かったり、落ち着かない場所のイメージが浮かぶこともあります。
その時の心の状態を比喩的に表しているんですよ。
大切なのは今、自分自身の心の中で、正直に感じていることに寄り添うことです。
「こんなイメージが出てきてしまっておかしい」と否定するのではなくて、
「今はこんな気持ちなんだな」「何を伝えようとしているのかな」と、自分自身に耳を傾け、
受け入れる姿勢を持つことです。
心の庭が安心できる場所ではなかった場合…、まず心の中で少しでも自分にとって落ち着ける場所を見つけたり、居心地の悪さを感じている自分に共感するところから始めていきます。
心の庭療法の効果
- 安心感や心地よさ、気持ちよさを感じる
- ありのままの自分自身を解放する
- 内なるもう一人の自分(インナーチャイルド、前世・過去世の自分、未来の自分など)に出会い、癒し、統合する
- 目には見えない高次元の存在(光や風などの自然の存在、天使や神様、ご先祖様)などに出会いつながることができ、導きを感じる
必要な要素が全部詰まってる!
ポータルとしての心の庭
退行催眠、つまり、子どもの頃や胎児の頃、さらには前世や過去世に戻って、
当時の出来事や感情を思い出していく場合には、
まず心の庭をイメージし、そこで十分に安心感を感じてから、過去のイメージに誘導していきます。
過去への入り口、また、辛い場面を思い出してしまい耐えられない場合には、一旦心の庭に戻って落ち着くなどの、
避難場所としての役割を持つこともできます。
トラウマに向き合うなど、高い山に登ろうとするときの、安全なベースキャンプの役割も持つのです。
私にも心の庭はあるのかな?
心の庭は誰の心にもあるものです。慣れるまではイメージしにくい場合もあるかもしれませんが
心の中に安心できる自分のための場所がある、という感覚は、ヒプノセラピーだけでなく、
多くの人に共通する感覚だと思います。
フォーカシングという心理療法で、
自分のための心から安心できるシールドルームをイメージしていく方法を習ったことがあります。
DVなどでPTSD(心的外傷後ストレス性障害)を抱えた方と一緒に、
このシールドルームというイメージをするワークをしているとのことでした。
また、心理療法とは別の文脈で、
僧侶で作庭家の枡野俊明さんは以下のように述べられています。
その庭と禅との関係に思いを凝らした枡野さんは“心につくった庭”というものを考えるようになったのです。
──私は日頃「庭」を「心の表現」の場だと言っている。それは二つに分けることができる。その一つは、禅僧として今日まで修行を重ねてきた私自身の心の表現、即ち「自己の表現」。二つ目は、客をもてなす亭主の立場に立った「心の表現」である。(略)私はこの二つの精神的表現を総称して「心の表現」と言っている。──では“心につくった庭”とはどのようなものでしょうか。
──そのときの自分の心のままに庭をつくってみる(略)その「心の庭」には、そのときどきの心が風景として映し出されるはずです。──「心の庭」は、移り変わりやすく、とらえどころのない“自分の心”を映し出し、「ありのままの心と出会える場所」なのです。僧侶であると共に造園家でもある枡野さんならではの考え方だと思います。
心の庭にたたずむ自分、それは「本来の自分に戻れる場所、自分がもっとも落ち着いていられる場所」です。
──たとえそれが寂しさを抱えたものであっても、ごまかしがないから安らかなのです。ごまかせば心は騒ぎます。乱れます。──「ほんとうは寂しいのに『寂しくなんかないんだ』とごまかしてみたり、つらいのに『こんなものなんでもない』と強がってみたり」……と。そのような自分を解放する場が「心の庭」なのです。
わたしたちは思っているよりも自分の心をつかんでいるわけではありません。思惑、願望、希望、欲望が心の姿を見えにくくしています。ありのままの心が見えにくいのは誰もがさまざまな思いからくる“力み”というものを持ちがちだからです。
『心に美しい庭をつくりなさい』(著:枡野 俊明)https://news.kodansha.co.jp/20160730_b02
心の庭療法が作られていったのは2004年頃のことですから、こちらの本の出版より前になるので、
升野さんのお話とは全く別のものなのですが、
違う文脈で同じような感覚が出てくるというのは、
やはり私たちの心に共通して持っている普遍的な感覚なのだと思います。
自分の内側に意識を向けて、どんな庭、どんな場所があるのかと想像を膨らませていくことで
今の自分の感覚に意識を向ける練習にもなりますね。
もちろんヒプノセラピーのセッションでイメージして受け取ってみたいという方は
ご連絡ください!
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